[書評] キーストーン戦略

エコシステムという言葉をご存知でしょうか?

エコと付いてるので環境問題の話?と思ってしまいますね。私はそうです^^;
日本語に訳すと「生態系」という言葉になるそうなので語源は環境の話といえるのですが、ビジネスの世界では生態系のような関係する企業群という意味でエコシステムという言葉が使われています。

エコシステムを実現している企業の代表として本書ではマイクロソフトを取り上げています。その他にもエコシステムを構築できている企業はあると思いますが、世界的に見て成功しているのはマイクロソフトということでしょう。そういうこともあってIT業界でよく使われる用語かもしれません。

エコシステムとあえて呼ぶからには何か理由があるはずです。では、どんなメリットがあるか、本書の内容に沿って見ていきましょう。

エコシステムとは?

そもそもエコシステムとは何でしょうか?

冒頭に述べたように生態系を模した企業群です。これらは特定のプラットフォーム上にたくさんの企業が群生している様を表しています。先に挙げたマイクロソフトの例でいうと、Windowsというプラットフォームの上で様々なアプリケーションが動作し、その周辺で様々なハードウェアが連携し、全体がシステムとして機能します。このようにソリューションがプラットフォームを介してつながり、各ベンダーが共生しているところがエコシステムというわけです。事例としては小売大手のウォルマートやオークションのイーベイなども掲載されています。最近だと、GoogleのAndroidなども同じように位置づけられるかもしれません。

エコシステムを構築することで、自社では解決できない部分を補完しあったり、新しいビジネスが生まれ、長期的な依存関係・共生関係が生まれことになります。こうしてビジネスの広がりを作ることにエコシステムのメリットがあります。

ではエコシステムを構築するためには何が必要なのでしょうか?

エコシステムを構成する要素

本書ではエコシステムを構成する要素として次のような分類をしています。

キーストーン

安定性、多様性、生産性をもたらす

支配者

存在量が多く、他の種をのっとったり除去したりする。
ネットワークの大部分を占める。

ハブの領主

ネットワークをコントロールはしないができるだけ多くの勝ちを横奪する。

ニッチ・プレイヤー

他のメンバーと差別化するための特殊能力を持つ。
小規模で多数。

キーストーン戦略の目指すところ

本書のタイトルにもなっているように、キーストーンになることがエコシステムの肝であり、目指すところだとしています。私も読んでいて新鮮だったのは、キーストーンは必ずしも支配的なポジションになくても良いということです。

自然界におけるキーストーン種は存在が裏側で見えにくいところにいたとしても、それがいなくなる事で影響が大きくなり、環境が崩壊することもあるようです。要は量や存在感ではなく、重要なポジションにいるということですね。

キーストーン戦略の要素

そんなキーストーンになり得るための要素として2つが挙げられています。
▪価値の創出
▪強力なプラットフォーム

強力なプラットフォーム上で価値を産み、様々な企業の協力を得てビジネス環境を構築していくということでしょう。特に違和感はありませんね。

但し、この戦略が取れる企業は世の中には一部のような気がしてしまいます。但し、情報産業であれば技術革新の中でキーストーンになれる可能せも秘めているのも一方では事実かもしれません。

まとめ

本書は事例ベースに進みますが、話が長く時間のあるときに一気に読み進めたほうが理解が進むかもしれません。内容は研究を重ねた結果だということが分かりますが、私の場合難しい部分も多く何度も繰り返し読まないと腹には落ちない内容でしたので、今回はこまかなところは割愛しています。

キーストーン戦略自体は夢があります。このポジションにいれることが良いことは理解できますが、仮にキーストーンになり得なかったとしても、自社のポジションがどういった部分かを理解しておくことで、次の行動も戦略もより良いものがとれるはずだとすれば、本書の価値もあがるのではないでしょうか。

人間関係においても、存在感がなくても重要なポジションでキーストーン的な存在であればすばらしいことだなと思います。 
 

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